与那国、そして台湾2012 その1
九州の旅2013は唐突に終わるが、臼杵からフェリーに乗った時点で書くことがない。九州旅はこれ以外にかなり訪れているので、また別の機会に。
さて、離島シリーズを始めるきっかけになったのは与那国島だが、なぜここを訪れる気になったのか。それはバックパッカーのバイブルである『深夜特急』との出会いから始まる。
大学の同期に旅行好きが一人いて、彼はネットなどまだ普及していない時期からコツコツ貯金をしては世界各国を旅していた。大学の講義や試験以外は常に日本を出ているといっても過言ではなく、「地球の歩き方」を片手に海外旅行をしまくっていたのだ。そんな彼が、ある時「この本はおもしろい」と紹介してくれたのが沢木耕太郎の『深夜特急』だったのだ。
しかしそのころバイクにはまっていた私は、海外旅行は興味あるけれど、まだ先のことだろうな、くらいに考えていて、もっぱら国内旅行にばかり行っていた。沢木耕太郎という作家の名前はその時に初めて知ったのだが、記憶の片隅にしまわれてしまった。
その後、ノンフィクションものにはまっていた私は、当然のごとく柳田邦男の本と出会い、そこで彼のアシスタントをしていた沢木耕太郎の名を再び発見することになる。お気に入りの作家から派生して読書の範囲を広げる読み方をしていたため、柳田邦男のアシスタントをしていたのなら、ということで沢木耕太郎を読み始めたのである。そこで初めて手にした本が『深夜特急』であった。
大学時代に紹介してもらった『深夜特急』がこんなにはまってしまう本であったことに衝撃を受けた。ああ、なぜ同期に紹介してもらったときに読まなかったのか。
私の読書は広く浅くではなく一点集中型で、気に入った作家はとことん読みつくすため、沢木耕太郎の本を次々と買い漁り、読み込んでいった。その中に「視えない共和国(『人の砂漠』新潮社刊所収)」という与那国島のルポルタージュが収められていたのだ。それを読み「海外よりまず与那国だ」と考えるようになり、与那国島への旅を真剣に考えるようになったのだ。
仕事が軌道に乗り、海外旅行へも行きやすくなったころ、ようやく重い腰を上げて計画を立てることになった。「視えない共和国」の中で、台湾と非公式の交易をしていた与那国島のことに触れており、どうせ行くなら与那国も台北もまとめて行ってしまおうと決めた。これまた海外旅行が大好きな同僚を誘うと二つ返事で了承してくれたので、二人での旅行となった。格安航空券をいろいろ探すと、那覇発の台北往復で安いのを見つけ(しかもANA)、以下の経路での旅行となった。今考えるととんでもないルートであるが。よくこんなチケットあったな。
12月25日 自宅 → 那覇 → 石垣 → 与那国
12月26日 与那国 → 石垣 → 那覇 → 羽田
12月27日 羽田 → 台北松山
12月28日 台北
12月29日 台北松山 → 羽田
12月30日 羽田 → 伊丹 → 那覇
12月31日 那覇 → 自宅
今日は字が多いぞ。